カジキ

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カジキ (梶木)とは、スズキ目メカジキ科およびマカジキ科 の2 科に属する魚の総称。日本近海には、メカジキ、マカジキ、バショウカジキ、フウライカジキ、シロカジキ、クロカジキの6 種が生息する。体長は大きいもので4 m以上、体重700kg に達し、いずれも頭の先が剣のように長く鋭く伸びているのが特徴。これは上あごが変形したもので、吻と呼ばれるものである。水中で最も速く泳ぐことのできる動物として、ギネスブックにも記載されている。食用にされ、スポーツフィッシングの対象魚にもなる。よくカジキマグロと呼ばれるが、これは俗称であって正式な呼び名ではない。

針にかかったニシクロカジキ
人との関わり
カジキ類は食用にされ、とくにマカジキとメカジキが水産上重要である。漁業市場では、吻を切り落とされたカジキが何本も横たわっている。マグロ延縄(はえなわ)で捕られることが多いが、伝統的な突きん棒漁も行われている。これは船の見張り台でカジキの魚影を探し、水面近くで遊泳しているカジキを銛(もり)で突くというものである。近年では銛に電流を流せるようになっており、殺傷力が格段に高まっている。アメリカの小説家、アーネスト・ヘミングウェイの名著「老人と海」(1952年)では、年老いた漁師サンチャゴと巨大カジキの3 日間に及ぶ死闘が描かれている。

美味い ★ ★ ★ ★ ★
食べ方 刺身・照焼き
かなり美味しい!

名称
カジキはその吻で舵木(船の舵をとる硬い木板)を突き通すことから舵木通し(カジキドオシ)と呼ばれ、それが縮まったのが現在のカジキである、という説が多い。英語では、メカジキはソード・フィッシュ、バショウカジキの仲間はセイルフィッシュ、マカジキとクロカジキの仲間はマーリンまたはスピアフィッシュと呼ばれている。他にビルフィッシュともいう。

生態
頭部の吻が非常に長く伸びるので、すぐ見分けがつく。吻の形状は、メカジキ科では上下にやや扁平な剣型、マカジキ科では円錐形の槍型である。カジキはこの非常に攻撃力のある武器を振り回し、餌となる小魚やマグロ類、甲殻類などを打ちのめす。そして気絶したり、あるいは致命傷を負って瀕死の状態になった獲物を捕食する。吻はまた、より大型のサメ類から身を守るのにも用いられる。成魚の一突きを食らえば、サメといえど死に至ることもある。

カジキ類は水中における最速のスプリンターである。その体には高速遊泳に適応した構造や機能がいくつか見られる。すなわち、

多くの高速遊泳魚に共通することであるが、体は流線型をしており水の抵抗を受けにくい。
筋肉に奇網という熱交換器官を備え、周りの海水よりも体温を高く保つことができる。これは水温が低いと筋肉の動きが鈍くなるという、変温動物である魚の短所を克服している。
第一背鰭(せびれ)と臀鰭(しりびれ)には、鰭を格納するための溝が備えられている。これらの鰭は水の抵抗を大きく受けるため、高速遊泳時には無用である為、ブレーキをかけるときにのみ使用される。
マカジキ科の魚の腹鰭は2 本の細い帯状になっており、メカジキでは無くなっている。
鎌のような三日月型の尾鰭(おびれ)は、長時間の持続的遊泳と短時間の爆発的遊泳の両方に適した形状である。
尾鰭のつけ根(尾柄、びへい)には水平隆起線があり、遊泳時には小さな翼となって水から揚力を得ると同時に、横揺れを防ぐ効果もある。マカジキ科には2 対、メカジキ科には1 対の水平隆起線がある。
体の後半部には強靭な筋肉が発達し、これと柔軟な背骨を左右にしならせて推進力を得る。
水中という環境ゆえ、最高遊泳速度を正確に測定することは難しいが、種によっては時速100km 以上に達すると考えられている。バショウカジキのトップスピードなら、25m プールを1 秒以内で駆け抜ける速さに相当する。

世界中の海に広く分布する。通常は暖海域の外洋表層部を泳ぐが、メカジキはより冷たい海域にも進出し、やや深いところも泳ぐ。肉食性で食物連鎖の上位に位置し、イワシ、ニシンなどの小魚やカツオ、マグロ類、頭足類、甲殻類などを食べる。餌を追って回遊することもある。1 匹か数匹の群で行動し、つがいの絆が強いこと知られている。

卵生。産卵期は5 月〜9 月で、普段沖合にいるカジキが岸の近くまでやってくる。このときに合わせて日本各地でカジキ釣り大会が催されている。

多くはスポーツ・フィッシングの対象魚となっている。針にかかったときの強烈な引きと豪快なジャンプが世界中の釣り人を魅了してやまない。日本近海には太平洋・インド洋に生息するカジキの種類が全て見られることから、JGFA(Japan Game Fish Association)による大会や、カジキを狙ったトローリングが盛んである。

マカジキ
ストライプ・マーリン。体長4m 。青い縞模様が特徴。古来より日本の食文化になじみ深く、カジキの中で最も美味とされている。旬は冬。

フウライカジキ
ショートビル・スピアフィッシュ。体長2m 。小型で、カジキ類中で最も吻が短い。

フウライカジキ
バショウカジキ
インド‐パシフィック・セイルフィッシュ 。体長3m 。帆のような大きな背鰭を持つ。全魚類中、最も速く泳げる魚である。

クロカジキ
インド‐パシフィック・ブルー・マーリン 。体長4.5m 。クロカワとも。マカジキと同様、青いストライプが入る。

シロカジキ
ブラック・マーリン 。体長4m 。別名カツオクイ。体色の捉え方が和名と英名で正反対である。カジキ類中最重量を誇る。

メカジキ
ソード・フィッシュ 。体長4m 。全世界の海洋に分布。気性が荒く、自分より大きいクジラや船を攻撃することもある。他のカジキと異なり、腹鰭が無い、第一背鰭が短い、尾柄の水平隆起線が1 対しかない、吻が扁平、などの特徴がある。


posted by さかな博士 at 20:26 | 海の魚
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