フグ

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

フグ(河豚)は、フグ目、特にフグ目 フグ科に属する魚。フグ科に属さないフグ(ハコフグ、ハリセンボン)などはフグ目を参照。

185種の魚がフグ科に分類される。そのうち食用とする種として、トラフグ、マフグなどが有名。クサフグなど、体全体に毒がたまる種もおり、このような種は食用には適さない。汽水、淡水性のフグの一部の種は、観賞魚として人気がある。

特徴
興奮させると、腹部(胃)を膨らませる姿がよく知られる。英語では "pufferfish" といい、これは「膨らむ魚」とか「丸い魚」という意味を持つ。腹部にとげ状の短い突起がある種もいる。

歯(顎歯)がよく発達しており、これが融合した強靭な4つの歯を持つ。主に、海水魚で、汽水や淡水に生息する種もいる。

養殖
高級魚であるため、養殖が昔から行われている。愛媛県愛南町では陸上養殖が行われている。

ホルマリン薬浴問題
魚体に寄生虫が付着しやすいため、その対策が養殖業者の課題となっている。ホルマリンによる薬浴が手っ取り早い方法であるとされるが、処理後の廃水を海に流すことから、問題視されている。2002年、東京水産大学は厚生労働省に対して、愛媛県と長崎県の養殖業者が寄生虫対策としてホルマリンを使用していることを指摘。両県が調査を実施した結果、2003年になって半数以上の業者が使用していたことが判明した。

この影響で長崎県では、しばらくホルマリンを使っていないフグまで出荷できなくなるなどの影響が出た。ほぼ同時期に発生した真珠貝(アコヤ貝)の大量へい死の原因の一つではないかと指摘された。ふぐ養殖業者と真珠養殖業者とが反目するなど、社会問題となった。

ブランド化の取り組み
フグは、山口県下関市が本場として知られるが、実は漁獲量はさほど多くない。福岡県宗像市の漁港では、従来下関に水揚げしていたフグの一部を玄海とらふぐとしてブランド化を目指して売り出した。日本では、加工場の問題もあり、漁獲されたフグの多くが下関や大阪・東京に集中するという傾向がある。最近では水揚げ漁港の側で加工場などの整備を行い、地場の名産品とすべく努力も行われている。

フグの毒
体内にフグ毒と呼ばれる強い毒を持つ種類がほとんどである。身を食用とする種でも内臓には毒があることが多い。フグが持つ毒はテトロドトキシンとよばれる物質であり、もともと細菌が生産したものが餌となる貝類を通して生物濃縮され、体内に蓄積されたものと考えられている。餌の種類を変えて養殖すると、同じ種であってもフグ毒が少なかったり、全くない場合があることからこのように推定されている。ただし、フグ自身は中毒することはない。

フグ毒の毒量は「マウスユニット (MU)」という単位で表される。20グラムのネズミを30分で死亡させる毒の量を1マウスユニットとしている。人間の場合5,000–10,000マウスユニットで致死量に至るが、フグ毒による事故ではほとんどの被害者が死に至っており、極めて生存率が低い

特殊な調理法により毒素を無毒化できるが(石川県の「河豚の卵巣の糠漬け」)、どのような仕組みで分解されるのかは分かっておらず、限られた地域の許可を受けた業者のみが加工できる。

てっさ食用にする種としてトラフグ、マフグなどが有名。特にトラフグが高級魚として知られる。

美味さ ★ ★ ★ ★ ★
食べ方 刺身・鍋物・煮付け
毒あり   卵巣、肝臓
最高に美味しい!

ふぐ料理は、一般的に高級料理として旬の冬場に食べられる。もっとも、近年は養殖により年中食べることが可能である。フグを料理用に捌くためにはふぐ調理師免許が必要である。

てっさ(フグ刺し)
フグの白子
から揚げ
てっちり(ふぐちり・フグ鍋)
フグ肝
卵巣の糠漬け(石川県)
ふぐざく

文化・その他
食用のほか、各地で本物のふぐを利用したふぐ提灯などが、みやげ物として売られてもいる。

下関や宗像など北部九州では、縁起をかついで「ふぐ」ではなく、「ふく(福)」と呼ぶ。

毒に関係した名称など
てっぽう
その毒に「当たる」ことがあることから、昔からさまざまな言い伝えがある。このため関西では「めったに当たらない(昔の鉄砲は命中率が悪かった)が、当たれば命が危ない」という意味で「てっぽう」という。「てっさ」「てっちり」という料理名はここから来ている。
がんば
長崎県島原地方でフグを指す方言「がんば」は、「がんば置いてでん食わんば(棺桶を置いてでも食べなくちゃ)」の略とされている。


posted by さかな博士 at 07:30 | 海の魚
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