ブルーギル

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ブルーギル(英名Bluegill)は、スズキ目サンフィッシュ科に属する魚。北アメリカ原産の淡水魚だが、日本でも分布を広げた外来種である。単に「ギル」とも呼ばれることがあるが、「gill」は「えら」という意味でありこれを魚の呼称とするのは不適切である。

特徴
成魚の全長は20cm前後。体は円形に近く、左右に平たい(側扁する)。体色は変異があるが、およそ淡い緑褐色で、体側に細い横しまが10本前後ある。左右の鰓蓋の上部に突出した皮弁があり、その部分が紺色になっているのが特徴で、"Bluegill(青い鰓)"の名もここに由来する。もともとブルーギルもブルーギル・サンフィッシュ(Bluegill sunfish)の略称で、「青い鰓蓋のサンフィッシュ」という意味である。

なお、サンフィッシュ類は北米大陸に広く分布し、多くの種が生息する原地ではごく一般的な淡水魚であるため、文学作品にもしばしば登場するが、マンボウの英名が Ocean Sunfish であり、単に Sunfish とも呼ばれることが多いため、英語圏の文学書を日本語に翻訳した際に、淡水産のサンフィッシュ類をマンボウと誤訳していることがある。

湖や池など、水の流れがあまりない淡水域に生息する。食性は雑食性で、水生昆虫、甲殻類、貝類、小魚や魚卵などいろいろな小動物を捕食するが、環境中に餌料生物が少ないときには水草まで食べる。

繁殖期は初夏で、この時期になるとオスは水底の砂泥を口で掘って浅いすり鉢状の巣を作り、メスを呼びこんで産卵させる。産卵・受精が終わった後もオスは巣に残り、卵に新鮮な水を送ったり、ゴミを取り除いたり、卵を狙う他の動物を追い払ったりして卵を守る。稚魚が孵化した後もしばらくは稚魚の保護をおこなう。


外来種としての経緯
ブルーギルはもともと北アメリカの中部・東部に広く分布する魚だが、移入された先々に定着し、今や世界各地に分布している。

小動物から水草までなんでも食べ、汚染などにも適応力がある。さらに卵と稚魚は親が保護しているため捕食者は手を出せない。これらの習性からブルーギルは短期間で個体数を増やすことができ、各地で分布を広げている。反面、数ばかり増えて大きくならないので水産上の利用対象にもならない。

日本への移入は、1960年にミシシッピ川水系原産のものが当時の皇太子(今上天皇)によって日本に持ち帰られ、静岡県伊東市の一碧湖に導入されたのが最初とされている。当初は食用として養殖試験なども行われたが、以後は釣りの対象として、またはブラックバスの餌などとして各地の湖沼に放流された。

水生昆虫や魚卵・稚魚を捕食して在来の生態系を脅かすものとして、日本では1990年代頃から駆除がおこなわれるようになった。ブルーギルは日本では一般に食用とはされていないが、駆除政策の一環として、食材としての利用が模索されている。


観賞魚としてのブルーギル
青や紫、赤紫のカラーリングは大変美しい。生命力が強く、雑食で頑丈な上、かなりの理想温度幅があるため初心者にも飼いやすい魚である。 また、北海道を除く日本のほとんどの池にいるうえ、釣るのは簡単なため、捕まえるのも簡単である。 また、ブラックバスと同じで子育てする魚であり、春から夏にかけてつがい(えらの下が青いものがオス)にして飼うとその様子が見られる。 ただし、日本では2005年6月に施行された特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)で特定外来生物に指定されているため、愛がん・鑑賞の目的であらたに飼養することは禁止されている。研究や教育などの目的で飼養する場合には主務大臣から許可を受けなければならない。


美味さ  ★ ★ ★ ★
食べ方  ?
普通食べない!
原産地の北米では大型のものが釣れ、体が丸くフライパンにすっぽりと収まり、バター焼きなどに適することからpan fishと称され食べられている。食味は、タイに似るとよくいわれる。

日本では一般に食用とはされていない。肉の味は決して悪くないが、日本のものは小型で身が薄い一方骨が多く、調理や食べる際に手間がかかる。また体の割りに腸の内容物の量が多く、悪臭の強い内容物が身に付着してしまうと風味を損ねるため、食材としては扱いにくい魚である。滋賀県では琵琶湖のブルーギルをビワコダイという名称で、鮒寿司に類似したなれずしや揚げ物などの材料としたものが、試験的に作られている。

中国では、1987年に観賞魚として移入された後、食用に転用された。一般に、英語名を直訳した藍鰓太陽魚(ランサイタイヤンユー、lánsāi tàiyángyú)、または、単に太陽魚と呼ばれ、湖北省、広東省などで養殖が行われている。中国での養殖には主に顆粒の配合飼料が使われ、臭みも少ない事から、蒸し魚としての利用が多い。日本で捕獲されたブルーギルも、しばらく養殖し、大きくするとともに臭みを減らせば食材としての価値は高まると考えられる。

ブルーギルに関する問題
ブルーギルの繁殖力と生命力、捕食力は日本の池や湖の生態系には十分脅威といえ、生態系維持と漁業の観点から日本中の湖沼でその存在数はかなりの問題とされている。一方でこのような主張を過剰反応であると考える見解もある。

簡単に釣れるが、魚体の大きさから引きは弱いため面白みに欠き、食材として利用することもほとんどないため釣り人からは人気がない。また漁獲対象種への圧迫のみならず、網にかかったブルーギルを取る際に背びれが手に刺さるため、漁業従事者からは大変嫌われている。

国などからは釣り上げた際に再放流しないことが推奨されるが、投棄するとブルーギルはその場で腐り、烏などの餌になってカラスを増やす原因になったり、夏は異臭や害虫を増やす結果になり周辺環境を悪化させる。琵琶湖に関しては持ち帰るか設置された回収ボックスに入れることになっている。再リリース禁止の効果はブルーギルの数や繁殖力をかんがみれば微々たるものであるとする見解もある。

他に駆除策として漁業従事者からの買い上げの他、産卵床を浅瀬に設置し、産卵後に卵ごと撤去するという方法も試みられている。

posted by さかな博士 at 18:43 | 湖・川の魚
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