ハス

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ハス(魚偏に時)とは、コイ目・コイ科・ダニオ亜科・ハス属に分類される淡水魚の一種。東アジアと日本に分布し、コイ科魚類としては珍しい完全な魚食性の魚。

特徴
全長30cmほどで、オスの方がメスより大きい。下顎が上顎より前に突き出ていて、口が上向きに大きく裂け、唇が左右と前で「へ」の字に計三度折れ曲がる。目は小さく、他のコイ科魚類に比べて背中側に寄っている。この独特の風貌で他の魚と容易に区別できる。

頭部を除いた体つきはオイカワに似て、前後に細長く、左右も平たく側扁し、尻びれが三角形に大きく発達する。体色は背中が青みを帯び、体側から腹部にかけては銀白色である。


主に河川の中流-下流や平野部の湖沼に棲息する。食性は肉食性で、アユ、コイ科魚類、ハゼ類などの小魚を積極的に追い回し捕食する。独特の形状に発達した口も、くわえた魚を逃がさないための適応とみられる。


動作は敏捷で、小魚を追い回す時や川を遡る時、驚いた時などはよく水面上にジャンプする。また琵琶湖での生態調査では、一つの地点から放流した標識個体が一月でほぼ湖全体に分散してしまったことが報告されており、長距離の遊泳力にも優れることが窺える。


繁殖期は6月-7月頃で、この時期のオスはオイカワに似た婚姻色が現れる。湖や川の浅瀬にオスとメスが多数集まり、砂礫の中に産卵する。孵化した稚魚は成魚ほど口が裂けておらず、ケンミジンコなどのプランクトンを捕食するが、成長に従って口が大きく裂け、魚食性が強くなる。寿命は飼育下で7年ほどである。


ハスはコイ科魚類、そして日本在来の淡水魚でも数少ない完全な魚食性の魚で、淡水域の食物連鎖の上位に立つ。日本在来の魚食性淡水魚はドンコやカワアナゴ、カジカ類など待ち伏せ型が多いが、ハスは遊泳力が高い点でも唯一といえる存在だった。


分布と種分化
日本国内の自然分布は琵琶湖・淀川水系と福井県の三方五湖に限られる。しかし20世紀後半頃からアユなど有用魚種の放流に混じって各地に広がり、関東地方や中国地方、九州などにも分布するようになった。今日では流れの比較的緩やかな水域ではポピュラーな魚のひとつとなっている。一部では食害の報告もあったが、他の外来種のほうがクローズアップされやすいためか、それほど問題とはされていない。


日本以外ではアムール川水系、朝鮮半島、長江水系からインドシナ半島北部にかけても分布する。4ヶ所の分布域ではそれぞれ亜種に区分されている。

日本

アムール川

朝鮮半島、長江からインドシナ半島、海南島 :

別名
淀川流域ではオイカワを「ハス」、ハスを「ケタバス」と呼ぶ。標準和名との混乱があるので注意を要する。また、その風貌から「オニヤマベ」と呼ぶ事もある。


利用
警戒心が強く、動きが機敏で引きの力も強いため、分布域ではルアーなどによる釣りの対象として人気がある。釣りの他にも刺し網や投網などで漁獲される。



美味さ ★ ★ ★ ★ ★
食べ方 塩焼き・天ぷら・唐揚げ・南蛮漬け
美味しい!

身は白身で、塩焼き、天ぷら、唐揚げ、南蛮漬けなどで食べられる。生息数が多い琵琶湖周辺では鮮魚店でも販売されている。

posted by さかな博士 at 10:14 | 湖・川の魚
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